- リーバイスについて調べる「赤耳」って出てくるけど、何のことだろう?
- アタリやヒゲって何?デニムって専門用語が多くて覚えるのが大変
デニムの通販サイトを見ると「赤耳」や「セルビッジ」「オンス」など聞いたことのない言葉が出てきて戸惑った方はいるでしょう。
私も初めてデニムを購入する際は、よく分からない言葉が出てきて、頭の中がハテナになりました。
デニムには専門用語が多いので、しっかりと理解しておくことが大切です。
本記事では、デニムの専門用語をリーバイス501XXの画像を使って分かりやすく解説します。
また、デニム初心者の方は以下の本をチェックすることをおすすめします。デニムの基礎を体系的に学べますよ。
Contents
赤耳
デニムの赤耳とは、ジーンズの生地の端にある、赤い糸で縫われた部分のことを指します。ロールアップした時に見える赤い糸です。
これは、元々デニム生地を織る際に織り機に使用するための糸であり、その後ジーンズの生地の端に残されていたため、ファッション的な要素として定着しました。
リーバイスのデニムはほとんどが赤耳になっています。
セルビッジ
セルビッジとは、ジーンズの生地の両端にある縁取られた部分のことを指します。
「耳」とも呼ばれるこの部分は、生地を織る際に使用される旧式の織機で織り込まれた部分でもあり、デニムの生地が裂けたりほつれたりしないように強度を持たせる役割があります。
セルビッジは独特の織り方や模様があるため、デニムのデザインやアクセントとしても活用されます。
セルビッチ(耳)のほつれ止めに赤い糸が使用されているものが赤耳です。
リベット
リベットとは、デニムに使用される小さな金属製のパーツを指します。ジーンズのポケットに利用されることが多く、装飾的な目的とともに、耐久性を向上させるために使用されます。
デニムの始まりは、リベットで補強するという特許を1873年にリーバイス社が取得したことから始まったと言われています。その頃は、ミシンの性能がイマイチで、特にポケット部分が壊れることが多かったらしいです。
そこでリベットで止めるという画期的なアイディアが生まれ、その特許が切れた1890年代に、他メーカーからもリベット付きのワークパンツが販売されたことでデニムが身近になりました。
市場にリベット付きのワークパンツが出回ったもののリーバイス社には遠く及ばなかったとも言われています。
隠しリベット
↑のようにジーパンを裏返した時にバックポケット付近に見えるリベットを隠しリベットと言います。
隠しリベットは501XXの特徴的なディティールです。
リジッド
リジッドとは、糊が付いたままの状態のデニムのことです。このようなデニムは「リジッドデニム、生デニム、ノンウォッシュデニム」とも呼ばれます。
糊が付いた状態では硬くて穿き心地が良くないため、世に出ているほとんどのデニムはウォッシュをかけて糊を落とした状態で販売されているのです。
しかしながら、リジッド特有のバキバキ感や光沢感を味わいたい楽しみたいデニム愛好家は多く、そのニーズを満たすためにリジッドデニムは販売されています。
私もリジッドで購入して、自分オリジナルの一本を育てたい派です。
とはいえ、リジッドデニムは洗濯するとかなり縮むので注意が必要。リーバイス501XXがファーストウォッシュの縮み具合を検証した結果を記事にしているので、興味のある方は是非!!
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オンス
デニムのオンスとは、デニム生地の重さを表す単位で、1平方ヤードあたりの重量をオンス(1オンス=約28.35グラム)で表したものです。
デニムのオンス数は、6オンスから20オンス程度までと幅広いです。オンス数が高いほど生地が厚く重くなり、強度や耐久性が高くなりますが、柔軟性の低下は否めません。
薄いオンス数のデニムは軽くて柔らかく、暑い季節でも着用することができます。
ボタンフライ
デニムのボタンフライとは、ファスナーの代わりにボタンで穿く部分を留める仕組みのことです。デニムには、ボタンフライとジッパーの2種類あります。
ボタンフライは、歴史的にはジーンズの一般的な開閉方法であり、特に古いタイプのジーンズには頻繁に見られます。現代のデニムジーンズでも、ボタンフライを使用しているものがあります。
ボタンフライの利点は、ファスナーフライよりも丈夫で長持ちすることです。また、ジーンズの腰回りを締め付ける力が分散されるため、快適なフィット感を味わえます。
一方で、開閉に時間がかかるという欠点があるため、ジッパーよりも使い勝手が悪いという意見もあります。
アタリ
アタリとは、デニムの着用や洗濯などで長期間使用したことによって生じる、独自の風合いや色落ちの変化のことです。
上記の写真は10年穿き込んだラディアルのデニムです。リジッドから穿き込んだのですが、結構アタリが出ています。
アタリは人工的に作り出すことも可能です。例えば、特定の部分を摩擦させたり、特別な洗濯方法を行ったりすることで、古着のような雰囲気を出せます。これらのデニムは、一般的に「加工済みデニム」とも呼ばれます。
一方、自然なアタリを楽しむために、一般的にはデニムを頻繁に着用し、洗濯や手入れをすることが推奨されています。
アタリが生じるまでの期間は使用頻度や洗濯回数、洗濯方法などによって異なります。
ヒゲ
ヒゲとは、デニムの太もも付近にできるシワとそれに伴った色落ちのことです。ヒゲは、ジーンズの穿き込みによって生じる経年変化の一部です。
ヒゲは、ジーンズのアタリと同様に、個性的な風合いを生み出す要素の1つとして、デニム愛好家から人気を集めています。
きれいなヒゲを出すためには、デニムの色が濃くて硬いうちに長時間穿き込み、体を良く動かすことがポイントです。
↓は10年穿き込んだラディアルのデニムのヒゲっぽいものです。
リジッドデニムから10年穿き込むとどのような色落ちになるのかは以下の記事で解説しています。興味のある方はぜひ!!
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ハチノス
ハチノスとは、デニムの後ろの面の膝裏にできるシワや色落ちを指します。見た目が蜂の巣のように見えることから、ハチノスと言われています。
ヒゲと同様にハチノスも個性的な風合いを生み出す要素の一つです。
ヒゲやハチノスはタイトなデニムに出やすいと言われています。下記はA.P.C.のプチニュースタンダードをリジッドのまま1000時間穿き込んだ記事です。
スキニーデニムなので、ハチノスもバキバキに発生しています。
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シングルステッチ
シングルステッチとは、一本の糸で縫う縫製方法を指します。
シングルステッチの特徴は、家庭用のミシンでも簡単にでき、ほつれにくく丈夫です。
また、縫い目が柔らかく伸縮性があり、履き心地が良いことも特徴の一つです。
チェーンステッチ
チェーンステッチとは、縫い目が鎖のように見える縫製方法です。
チェーンステッチは専用のミシンが必要になるため、普通の洋服お直し屋では対応してもらえないことが多いです。
また、ほつれやすいといったデメリットがあります。とはいえ、チェーンステッチは裾部分に味わい深いアタリが発生するため、チェーンステッチを好むデニム愛好家は多いです。
パッチ
パッチとは、ジーンズの背面に付けられたタグのことを指します。ジーンズのメーカーやブランド、製造国などが記されたパッチが付いていることが一般的です。
一般的に牛革を使って作られており、その色や風合いがデニムとの相性が良いことから選ばれることが多いです。中には刺繍やプリント、ヒートスタンプなどの加工が施されたパッチもあり、ブランドイメージをより強くアピールするための工夫がされています。
パッチには、大きく分けて「レザーパッチ」と「紙パッチ」の2種類があります。レザーパッチは、レザーの風合いがジーンズとマッチしていることが特徴で、擦り切れたり摩耗したりすると、より味わい深い風合いが生まれることが魅力です。
一方、紙パッチは、紙のような素材で作られていることが特徴で、ジーンズにより柔軟性を持たせることができます。
リーバイスの場合、初めて紙パッチが導入されたのが1955年モデルから。私はLVC1955を所有していますが、シルエットや毛羽立ち感、経年変化を楽しめる良いジーンズです。以下記事で、経年変化をレビューしていますので、興味のある方はご覧ください。
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パッカリング
パッカリングとはシワが連続した凸凹箇所を言います。ポケットや裾部分に発生しやすいです。↑写真でもポケット周りに凸凹ができています。
裾に関してはチェーンステッチの場合、迫力のあるパッカリングが発生しやすいです。
タブ
タブとは右バックポケットの上部に付けられている小さなタグのことです。
代表的なものとして、リーバイスの赤タブが挙げられます。遠くから見てもリーバイスのデニムであることが分かるように、赤タブが誕生したようです。
タブはデザインのアクセントになっています。
テーパード
テーパードとは、脚部分が徐々に細くなっているパンツのスタイルです。
ヒップや太ももの部分はややゆったりとしており、膝から下の部分にかけて徐々に細くなっているデザインになっています。
テーパードのデニムパンツは、コンバースのスニーカーなどと合わせてスポーティーな印象を与えることができますが、ヒールを履いたり、ブラウスなどを合わせてよりドレッシーな印象を与えることもできます。
デットストック
デットストックとは、ヴィンテージの世界において「新品状態のまま残っている」製品を指します。
デットストックを直訳すると「不良在庫」です。否定的なイメージが強いですが、ヴィンテージでは最も良い状態と解釈されます。
右綾
右綾(みぎあや)とは、デニム表面に見える畝が右上がりになっている生地を指します。
右綾はジャストサイズで穿き込むことでヒゲやハチノスのようなメリハリの効いた色落ち出やすいと言われています。
左綾
左綾(ひだりあや)とは、デニム表面に見える畝が左上がりになっている生地を指します。
右綾に比べて、薄く優しい色落ちが出やすいと言われています。
まとめ:専門用語を理解すればデニムを楽しめます
デニムの専門用語を解説しました。今回の記事で紹介した用語を理解しておけば、ショップ店員さんとの会話もスムーズになり、デニムを楽しめるでしょう。
デニムについてもっと詳しく知りたいという方は、以下の本をおすすめします。デニム初心者でもデニムの基本を体系的に学べますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。